代表取締役会長 王 鈞 2023年度あいさつ

代表取締役会長 王 鈞(2023)

スリーアール代表取締役会長
王 鈞(おう きん)です。

2022年4月1日に社名変更という再スタートを切り、あっという間に1年が過ぎました。

昨年度の情勢を振り返ると、ロシアによるウクライナ侵攻、3年目のコロナ禍、超円安、電気自動車(EV)普及元年、シリコンバレー銀行・シグネチャー銀行破綻という激動の年でした。そのような中で23期目に入り、本格的なアフターコロナと円安長期化の中での経営に突入しました。

この3年間の経営は貴重な糧となり、中でも臨機応変であること、最速でお客様のニーズに応えることの重要性を改めて認識しました。
特にスピード重視の姿勢――伝言ゲームを減らすこと、業務の簡素化、新製品に対しすばやく手をうつこと――は再度強調したいことです。ピンチをチャンスにするためにはスピードが欠かせないからです。
世界のマネーが歴史的な減少に転じる中、今年は利益率よりも売上を伸ばし、シェア拡大を推進していきます。

   

今期は去年よりも経済状況がさらに悪化することが考えられます。この厳しい環境の中では、活気あふれる組織であること、マンネリ化と大企業病の防止、楽しい職場環境をつくることが非常に大事なこととなります。

日本はITやIoT、DXなどが先進国のアメリカよりかなり遅れていますが、スリーアールはこれらの成長産業に力を入れていきます。これは少子化による人手不足などを解決することにもなります。

   

我々はVisionとして、「明日の欲しいを実現し、社会を元気にする」を掲げています。これはものづくりを主軸とするわが社の真髄でもあり、このような理念が全員へ浸透すればスリーアールも100年企業になると確信しています。

今年最も意義深いスリーアールの取り組みは、モバイルバッテリーのシェアリングサービスをスタートさせたことです。スリーアールの新しい歴史の幕開けと言っても過言ではありません。というのもこの事業は単なるバッテリーのレンタルサービスではなく、わが社でシェアリングビジネスのプラットフォームを構築したことを意味しています。今後のスリーアールの事業の重要な柱として育てていく方針です。

将来の上場に向けて、昨年度のあいさつでも触れた責任感・危機感・スピード感(三感)と広い視野と大きな野望をもつリーダーが重要であると私は再度認識しました。

社内スタートアップや新規事業の分社化、若手経営者の育成がスリーアールの課題となります。

   

私は1990年から日本で働き始め、バブルの全盛期も失われた30年も経験しました。企業の存続がますます厳しくなっていく中、特にコロナ禍の対策において多角経営の重要性を強く感じました。今は商品もビジネスモデルも寿命が短くなり続けています。「一本足打法」の経営は危険であり、多くの柱をつくる必要性を認識しています。

わが社は機動力の高い組織や幅広い商品群、グローバル人材を武器に、攻めと守りのバランスをとりながら挑戦を続けていきます。

スルーアールが本社を構える福岡は九州の経済・文化・政治・貿易・インバウンドの中心であり、アジアの玄関口です。さらに福岡空港滑走路増設、天神ビックバン、そして世界的な半導体メーカーによる熊本工場建設という3つのプロジェクトにより、今後福岡の位置づけがますます重要となります。これからさらに世界に注目され、成長が加速するでしょう。

スリーアールはこれからもVision Mission Valueを軸とし、世界を相手にする総合商社というポジションを強化してまいります。